奈良先端科学技術大学院大学は、最先端の研究を推進するとともに、その成果に基づく高度な教育により先端科学技術の発展に資する人材を養成するために、学部を置かない大学院大学として設置された。教育研究分野は、「情報科学」、「バイオサイエンス」及び「物質科学」という先端科学技術の基盤的な学問領域であり、これらを統合した先端技術研究科で先端科学技術の研究・教育を行う。21世紀における人類の豊かな生活と住みよい社会を実現し、持続していくためには、次代を担う人材を養成し、人類の存続に役立つ多様な研究成果を社会に提供することが不可欠である。そのためには単に特定専門分野の科学技術のみに精通するだけでなく、大局的な視点や先端科学技術の知識をあわせ持つ人材を育成する全人的な教育が必要である。

 奈良先端科学技術大学院大学は教職課程を設置することによって、日本の中等教育を支える専門職としての教員養成の一翼を担うことを使命とする。情報化、国際化が進む社会にあっては、諸科学の基本だけではなく、人間として備えておくべき倫理観、広い視野、理論的な思考力、積極的な行動力、総合的な判断力、言語表現能力、さらには豊かな科学技術の知識を養い教授能力および、指導能力を備えた資質を育成することを目指している。