はじめに

めまぐるしく発展する現代社会のニーズに柔軟に対応し、創造力を発揮できる若手研究者を養成しようと文部科学省は、平成17年度から「魅力ある大学院教育」イニシアティブをスタートすることを決め、10月に本学の情報科学研究科とバイオサイエンス研究科から申請された教育プログラムを採択した。優れた研究を支える人づくりのための大学院教育に焦点を当て、重点的に支援するという初の試みだ。

このプロジェクトは、専門分化する研究のテーマに幅広い視野とユニークな発想で挑んでもらうため、若手研究者の教育を重視し、組織的に取り組む体勢を整える事業。147大学から338件の申請があり、独立行政法人日本学術振興会が運営する「魅力ある大学院教育」イニシアティブ委員会で審査の結果、45大学の97件が採択された。

このうち本学は2件で、情報科学研究科の「未来を切り拓く情報科学人材育成コア」は、高度情報通信(ICT)時代に対応できる技術者・研究者のためのプログラムとして、専攻の枠を越えた幅広いカリキュラムを用意し、特待生制度を設けて、国際的に活躍するリーダーを育てる。バイオサイエンス研究科の「フロンティアバイオ教育プログラムの構築」は、複数の教員による個別の指導体制を確立し、科学英語能力の向上など国際的な教育システムを整備する。

また、平成18年度分として、研究者養成に関する新たな教育プログラムの申請が129大学268件あり、35大学46件が採択された。これに本学の物質創成科学研究科から申請された教育プログラムが採択され、本学3研究科すべての教育プログラムが採択されたことになり、研究科数に対する獲得率が全国1位(100%)となった。

物質創成科学研究科の「物質科学の先端融合領域を担う研究者の育成」は、2コース制を導入し、新しい融合領域を開拓し発展させる人材を育成するとともに、 科学英語能力の向上や中短期海外派遣を推進するなど国際感覚の育成も行う。

いずれも、学生にとってグローバルな視点で先端の知識や研究技術を磨きやすい環境づくりが進められる。

  • 画像:未来を切り拓く情報科学人材育成コア
    未来を切り拓く情報科学人材育成コア
  • 画像:フロンティアバイオ教育プログラムの構築
    フロンティアバイオ教育プログラムの構築
  • 画像:物質科学の先端融合領域を担う研究者の育成
    物質科学の先端融合領域を担う
    研究者の育成